field line tracing with Tsyganenko 96 model
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last updated on January 6th, 2006
スペースフィジクスの分野でもっとも広く使用されている地球磁気圏磁場モデルであるチガネンコモデルを用いて、電離圏から磁気圏(もしくは逆)に磁力線をトレースするための
IDL プログラムの説明です。
チガネンコモデル自体は Fortran で記述されているため IDL と Fortram で変数を受け渡すなどの処理をしています。
使用上の注意点:
1) このプログラムは現在のところ北半球のみに対応している。今後南半球も統一的に扱えるようにする予定。
2) 極端な太陽風の条件下では用いるべきではない。なるべくは以下の範囲内で。
Pdy: |
|
between 0.5 and 10 nPa |
Dst: |
|
between -100 and +20 |
IMF: |
|
between -10 and +10 nT |
1. startup the routines
チガネンコモデルは Fortran で書かれていますので、計算を行うためには Fortran
のライブラリを使う必要があります。
以下のおまじないをホームディレクトリの .bashrc ファイルに記述してください。
export LD_LIBRARY_PATH=/opt/intel/compiler70/ia32/lib/
そうした上で、以下を実行しておきます。
% source .bashrc
これで下準備は終わりです。
darndeb 系列の計算機にログインしたうえで、goを起動します。
その後に、t96_routines.pro という IDL のプログラム群を以下のようにしてコンパイルします。
Go> .run t96_routines
IDL: Compiled module: IONO_TO_SPACE.
IDL: Compiled module: SPACE_TO_IONO.
IDL: Compiled module: PLOT_FIELD.
IDL: Compiled module: OVERLAY_PETRINEC.
2. field line tracing from the ionosphere to the magnetosphere
まず、電離圏から磁気圏へ磁力線をトレースする際に使うコマンドについて説明します。
ここで用いる procedure は、iono_to_space です。まず何も考えずに以下を実行します。
Go> iono_to_space
すると以下のようなメッセージが出てくると思います。
Print Usage:
iono_to_space,year,jday,hour,min,sec,glat,glon,rs,by,bz,pdy,dst
rs:
radius of the point where the tracing stops [in Re]
Example:
iono_to_space,2001,118,05,15,00,78.97,85.80,8.0,25.0,12.0,17.0,5.0
このコマンドに与える引数の説明が出てきます。必要な引数は12個あります。
時間に関するもの5つ:
year: 年 (4桁)
jday : 通し日
hh,
mm, ss: 時, 分, 秒 (世界標準時: UT)
空間に関するもの3つ:
glat
: 磁力線追跡開始ポイントの地理緯度 (高度110kmにおける)
glon:
磁力線追跡開始ポイントの地理経度(高度110kmにおける)
rs :
磁力線追跡を終える球殻の半径 (単位は地球半径 Re)
太陽風パラメタに関するもの4つ:
by: IMF
By (nT)
bz: IMF
Bz (nT)
pdy: 太陽風動圧 (nPa)
dst: Dst
指数 (nT)
では、計算例を示します。以下の条件で計算するには、
日時: 2001年4月28日(通し日118)5時15分00秒(UT)において ...
場所: 地理緯度78.97°地理経度85.80°(高度110km)の電離圏上の点を半径8Reの球殻まで
...
条件: IMF By=25nT, IMF Bz=12nT, Pdy=17nPa, Dst=5.0 nT の条件下で ...
以下のように引数を与えてやります。
Go > iono_to_space,2001,118,05,15,00,78.97,85.80,8.0,25.0,12.0,17.0,5.0
結果は PostScript ファイルに出力されます >>> 出力例
PostScript ファイルには GSM の X-Y, Y-Z, X-Z 断面における磁力線の形状と、電離圏におけるトレーシングのスタート地点の地理緯度経度・磁気緯度・磁気地方時が情報として図示されています。また、磁力線の追跡を終了した磁気圏内の点が
GSM 座標系で示されています。
3. field line tracing from the magnetosphere to the ionosphere
まず、磁気圏から電離圏へ磁力線をトレースする際に使うコマンドについて説明します。
ここで用いる procedure は、space_to_iono です。まず何も考えずに以下を実行します。
Go> space_to_iono
すると以下のようなメッセージが出てくると思います。
Print Usage:
space_to_iono,year,jday,hour,min,sec,xgsm,ygsm,zgsm,alt,by,bz,pdy,dst
Example:
space_to_iono,2001,118,05,15,00,2.90,-1.70,7.31,110.0,25.0,12.0,17.0,5.0
このコマンドに与える引数の説明が出てきます。必要な引数は13個あります。
時間に関するもの5つ:
year: 年 (4桁)
jday : 通し日
hh,
mm, ss: 時, 分, 秒 (世界標準時: UT)
空間に関するもの4つ:
xgsm,
ygsm, zgsm: 磁力線追跡開始ポイントのGSM 座標系における X, Y, Z 座標
rs :
磁力線追跡を終える電離圏高度 (単位は km)
太陽風パラメタに関するもの4つ:
by: IMF
By (nT)
bz: IMF
Bz (nT)
pdy: 太陽風動圧 (nPa)
dst: Dst
指数 (nT)
では、計算例を示します。以下の条件で計算するには、
日時: 2001年4月28日(通し日118)5時15分00秒(UT)において ...
場所: [Xgsm, Ygsm, Zgsm]=[2.90,-1.70, 7.31] の磁気圏内の点を高度 110km
の電離圏E領域まで ...
条件: IMF By=25nT, IMF Bz=12nT, Pdy=17nPa, Dst=5.0 nT の条件下で ...
以下のように引数を与えてやります。
Go > space_to_iono,2001,118,05,15,00,2.90,-1.70,7.31,110.0,25.0,12.0,17.0,5.0
結果は PostScript ファイルに出力されます >>> 出力例
PostScript ファイルには GSM の X-Y, Y-Z, X-Z 断面における磁力線の形状と、電離圏におけるトレーシングの終了地点の地理緯度経度・磁気緯度・磁気地方時が情報として図示されています。また、磁力線の追跡を開始した磁気圏内の点も
GSM 座標系で示されています。
4. some tips
幾つかの細かい Tips です。
- iono_to_space, space_to_iono ともにデフォルトでは PostScript に出力を行いますが,
X-Window に出力したい場合は、
Go > space_to_iono,2001,118,05,15,00,2.90,-1.70,7.31,110.0,25.0,12.0,17.0,5.0, /no_ps
というように no_ps というオプションを付けてやります。
- iono_to_space, space_to_iono 双方において電離圏のマップに地図を出したい場合は、
Go > space_to_iono,2001,118,05,15,00,2.90,-1.70,7.31,110.0,25.0,12.0,17.0,5.0, /coast
というように coast というオプションを付けてやります。
不明な点がありましたら hosokawa at ice.uec.ac.jp までお知らせください。
switch togwave.ice.uec.ac.jp/~hosokawa/codes/codes.html