GO-SCINTI

HOW TO GET STARTED

解析環境のセットアップ

  1. まずは darndeb02 にログイン.
    % ssh -XC darndeb02.ice.uec.ac.jp
  2. 適当な作業ディレクトリを作り, そこへ移動.
    % mkdir -p ~/work/scinti
    % cd ~/work/scinti
    注: ホームディレクトリ以下の work というディレクトリに研究用のファイルを置くと良い.
  3. IDL プロシージャへのシンボリックリンクを貼る
    % ln -s /radar01/work/Scinti/Visualize/scinti_routines.pro
    注: IDL のプログラムのことをプロシージャと呼ぶ. このファイルの中に複数のプログラムが入っている.

データプロットの作成

データの読み出し

Scintillation のデータおよび GPS 衛星の軌道情報データは 1 日毎のファイルに格納されている. 日付を指定することで, その日 1 日分のデータを読み出し, メモリにロードする.

  1. Go を起動
    % go
    注: IDL で書かれたデータ解析環境 Go を使用する.
  2. プロシージャをコンパイル
    Go > .run scinti_routines
  3. 日付を 8 桁で指定し, データをメモリにロード
    Go > file_scinti,'20120122'
    この例の場合, 2012 年 1 月 22 日のデータを読み出している. 8 桁の日付はクオーテーションで囲み, 文字列として与えること.

S4 index, Sigmaφ index, TEC 時系列サマリープロットの作成

Scintillation の指標となる S4 index (エスフォー指数: 振幅シンチレーションの指標), Sigmaφ (シグマファイ指数: 位相シンチレーションの指標), および電離圏全電子数 (Total Electron Content: TEC) データを時系列データとしてプロットする.

  1. サマリープロットの作成
    Go > plot_scinti
    注1: データを読み込んだ日の S4 index, Sigmaφ, TEC が 24 時間分出力される.
    注2: 線の色は, どの GPS 衛星からの信号であるかを示す(PRN01-PRN32).
  2. 高い仰角の衛星のみのデータをプロットする.
    Go > plot_scinti,ele_min=30
    高い仰角の衛星のみのデータをプロットすることで, マルチパスのシンチレーションに対する影響を除去することができる.
    この例の場合は, 仰角が 30 度以上の衛星のみをプロットしている.
  3. プロットする時間幅を変更する
    Go > time,2000,2400
    Go > plot_scinti,ele_min=30
    この例の場合, 2000 UT から 2400 UT までの時間帯をプロットするように指定している.
  4. 全天カメラによるオーロラ観測データと同時に表示する
    Go > plot_scinti_with_asc,ele_min=30
    ここで表示されているオーロラデータは全天画像の南北断面の時系列(ケオグラム)である.

S4 index, Sigmaφ, TEC, オーロラケオグラムの時系列個別プロットの作成

サマリープロットの中の各パラメータの時間変化を詳細に表示したい場合は以下のような操作を行い, 個別のパネルにデータを表示する.

  1. プロットする時間幅を指定する(以下の例では, 1600 UT から 2400 UT までの 8 時間).
    Go > time,1600,2400
  2. プロットする
    Go > clear_page
    注: プロットウィンドウを初期化.
    Go > define_panel,1,1,0,0,/bar,/no_charset
    注: プロット領域を指定する. この 1,1,0,0 は "横方向のパネル数","縦方向のパネル数","横方向のパネルの番号","縦方向のパネルの番号" を表す.
    Go > plot_scinti_panel
    注: 指定したプロット領域に Sigmaφ をプロット
  3. 仰角を絞り込んだプロットの作成はサマリープロットの時と同じ
    Go > clear_page
    Go > define_panel,1,1,0,0,/bar,/no_charset
    Go > plot_scinti_panel,ele_min=60
  4. 強度シンチレーションの指標である S4 index をプロットする場合は, /amp というキーワードをつける.
    Go > clear_page
    Go > define_panel,1,1,0,0,/bar,/no_charset
    Go > plot_scinti_panel,/amp
  5. 電離圏全電子数(TEC)をプロットする場合は, /tec というキーワードをつける.
    Go > clear_page
    Go > define_panel,1,1,0,0,/bar,/no_charset
    Go > plot_scinti_panel,/tec
  6. プロットする縦軸の範囲を変えるには以下のようにする.
    Go > plot_scinti_panel,yrange=[0,2]
    注: この例では縦軸の範囲は 0 から 2.
  7. オーロラケオグラムをプロットする.
    Go > clear_page
    Go > define_panel,1,1,0,0,/bar,/no_charset
    Go > plot_asc_keo_panel,'20120122'
    注: ケオグラムをプロットする際には, 日付の指定が必要.

Sigmaφ, S4 index, TEC を地図上にプロットする

指定した時刻におけるそれぞれの衛星の S4 index, Sigmaφ, TEC の値を, 衛星-地上間を伝搬する電波が電離圏を通過する場所にプロットする.

  1. プロットしたい時刻を 6 桁で指定
    Go > go_time_scinti,220000
    注: この場合, 22 時 00 分 00 秒 UT を指定したことになる.
  2. 以下のプロットコマンドを実行
    Go > plot_scinti_map
    注: 何もキーワードを指定しない場合は Sigmaφがプロットされる.
    注: 丸の大きさでパラメータの大きさを表現している. 丸が大きいほど数値が大きい.
    注: 左側のパネルは電波が 300 km 高度を通過する位置に Sigmaφ を示している.
    注: 右側のパネルは電波が 110 km 高度を通過する位置に Sigmaφ を示している.
  3. 仰角を絞り込んだプロットの作成は時系列プロットの時と同じ
    Go > plot_scinti_map,ele_min=40
  4. S4 index をプロットする場合は, /amp というキーワードをつける.
    Go > plot_scinti_map,/amp
  5. TEC をプロットする場合は, /tec というキーワードをつける.
    Go > plot_scinti_map,/tec

Sigmaφ, S4 index, TEC をオーロラ全天画像上にプロットする

指定した時刻におけるそれぞれの衛星の S4 index, Sigmaφ, TEC の値を, オーロラ全天画像上にプロットする.

  1. プロットしたい時刻を 6 桁で指定
    Go > go_time_scinti,205800
    注: この場合, 20 時 58 分 00 秒 UT を指定したことになる.
  2. まず, オーロラの全天画像を表示
    Go > clear_page
    注: プロットウィンドウを初期化.
    Go > define_panel,1,1,0,0,/bar,/no_charset,/square
    注: プロット領域を指定する. ここでは /square というキーワードで正方形の描画範囲を指定している.
    Go > plot_asc_panel
    注: 指定した時刻の全天画像を表示. 中心が天頂. 最も外側の点線同心円が仰角 15 度のライン. 上が地理的な北.
  3. 衛星の位置とパラメータの大きさを全天画像上に上書き
    Go > overlay_scinti_on_asc
    注: 何もキーワードを指定しない場合は Sigmaφがプロットされる.
    注: 丸の大きさでパラメータの大きさを表現している.
  4. S4 index を上書きする場合は, /amp というキーワードをつける.
    Go > clear_page
    Go > plot_asc_panel
    Go > overlay_scinti_on_asc,/amp
  5. TEC を上書きする場合は, /tec というキーワードをつける.
    Go > clear_page
    Go > plot_asc_panel
    Go > overlay_scinti_on_asc,/tec